ワイン醸造Tips

おいしいワインを造るための醸造技術関連のTipsを、順不同になりますが掲載いたします。
各ワイナリーの設備の違いによる醸造工程の違い等がありますので、ご意見等がありましたらご遠慮なくお寄せくださるようにお願い致します。

🔳 おいしいワインを造る基本(Ⅰ)

まず、製造技術や専門知識の前に次の事項を確立して順守する組織・体制が必要です。

1.「衛生管理」
2.「温度管理」
3.「原料の精選」

🔳 おいしいワインを造る基本(Ⅱ)

🔳 おいしいワインを造る基本(Ⅲ)
各種の醸造設備の導入は、ワイン醸造の基本を踏まえた上で検討したい。
画像は、一つの参考資料です。

🔳 おいしいワインを造る基本(Ⅳ)
◎アルコール発酵の反応式から、生成されるアルコール分の度数を求めることができます。
 但し、以下は糖を完全に発酵させた場合の計算です。

<注> 発酵時に生じる二酸化炭素は、ブドウの光合成における大気からの吸収分なので、環境汚染に関与しません。

<<資料>>ワインのアルコール度数の測定方法(酒類総合研究所のyoutubeより)

🔳 おいしいワインを造る基本(Ⅴ)

◎ 以下は、「赤ワインの仕込み」の場合です。
1.除梗破砕機から出てくるブドウのマストを仕込みタンクへ移送する場合、次のような方式があります。
(1)除梗破砕機の持っているポンプ機能によってタンクへ直接移送する方式
(2)下図の例の様に、除梗破砕機とタンクの間にマストポンプを入れて移送する方式
(3)マストポンプの代わりに楕円形ローターポンプ(Elliptical Rotor Pump)を使用して移送する方式
(4)タンクの上部に除梗破砕機を置いて、マストをタンクに直接落とす方式
(5)階上に設置した除梗破砕機からマストを階下のタンクに移送する方式
(6)フォークリフトなどを用いて、マストが入っている容器をタンクまで持ち上げて移送する方式

2.仕込み方式を選択するためのポイント
(1)作業効率(ブドウを除梗破砕機のホッパーに投入し易いかどうか、マストの移送時間など)
(2)仕込みタンクにマストを移送した後、正確な平均糖度を求めるためには、タンク内のマストを撹拌し易いかどうかということが重要です。
(3)赤ワインの仕込みには除梗破砕機(Destemmer-Crusher)を使用し、破砕しない除梗機だけのマシン(Destemmer)は選ばないようにします。それは、充分破砕されていないと、正確な平均糖度を測定することができないからです。

3.一つの例として
上の図は、50mmΦ(内径)のホースを用いて容量500L、高さ925mmのタンク(食品仕込み仕様のもの)へ、マストポンプを経由して移送している例です。
ホースを使用して大量のマストを長時間移送する場合、ホース内で生じる摩擦熱やマストに加わるストレスについて心配があります。しかし、1トンほどのマストを連続で移送する場合、それらは全く問題になりません。
発酵時にタンク内で発酵熱が生じることや、その後の工程の圧搾やろ過の方がはるかに強い圧力で処理していることを考えると、ホースを使用して移送しても何ら不都合はありません。

🔳 おいしいワインを造る基本(Ⅵ)

左図の容器の口に差し込んでいる「栓」には水を入れてあるので、外部から空気が入りません。そのことによって、発酵中のワインが酸化しないようにしています。
この「栓」の役割は、
(1)発酵で生じるガスを抜くことと、
(2)外からの空気を遮断することです。
そのため、この「栓」はエアロックと呼ばれ、大変重要な働きをしています。
エアロックは、下の画像の様に①本体、②⋂字形の内部キャップ、③多くの小さな穴が開いているフタで構成されています。

発酵の後半(二次発酵)においては、この水を入れた「栓」は必須であり、このエアロックを使用しないと決しておいしいワインはできません。

左の画像は、少量(198L)の二次発酵の例です。
直径60cm、高さ70cmの小さいタイプで、リアルタイプ温度計やエアロックなどが付属しています。
やや高価なタンクですが、恒温発酵など機能性にすぐれています。

2次発酵用の1KLや2KLタンク等の場合も同様の機能を持っているものが必要です。

左の画像は、二次発酵タンクの液面まで落しフタ(Floating lid)を下げてワインに接する空気を遮断する様子を示しています。
この場合は、先のエアロックとは異なるタイプのガス抜き装置(Dry air lock)をフタに取り付けています。

🔳 おいしいワインを造る基本(Ⅶ)
次の図は、発酵のプロセスに関するものです。あくまでも概略的に表してあり、暫定的なものです。

🔳 おいしいワインを造る基本(Ⅷ)
Temperature Factor.

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